医療法人の基金制度について
医療法人の基金制度における「基金」とは、
持分の定めのない社団医療法人に拠出された
金銭やその他の財産であって、
定款の定めるところに従って
医療法人が拠出者に返還義務があるものを言います。
この制度は、医療法人の非営利性の徹底と
剰余金の分配の禁止という基本姿勢を維持しつつも、
医療法人の活動に必要となる資金の調達手段を
確保することを目的としています。
法律上は、
剰余金を分配することができない点で出資金と異なり、
利息を支払うことができない点で借入金とも異なる
とされています。
この基金制度を採用した医療法人を
「基金拠出型法人」と言います。
なお、この制度を採用するか否かは
法人が自由に選択することができますが、
持分ありの社団医療法人、財団医療法人、社会医療法人、
特定医療法人及び特別医療法人は
採用することができません。
基金拠出型法人に基金を拠出しても、
議決権などの経営にかかわる影響力はありません。
基金の拠出者は将来、
拠出した基金の返還を受けることができます。
ただし、基金の返還については、
定時社員総会の決議によって行わなければならない
とされているため、いつでもできる訳ではないことに
注意が必要です。